私は高校卒業後に自衛隊に入隊し、28年間勤務しました。その後定年を迎える前の46歳で退官、現在は不労所得によって生活しています。
自衛官時代から毎月手取りの6割を貯金に回し、その資金をもとに不動産投資を始め、今では億を超える資産を築くことができています。
お金を貯めるためには、まず目的を明確にすることが大切です。私の場合なら、アーリーリタイアをして世界中を旅すること。
私が、就職先に自衛官を選んだ理由の一つに、「しっかりと貯金できる」ということがあります。自衛隊は衣食住が無料(天引き)のため、毎月の支出を大きく抑えることができました。また、配属された艦艇勤務は基本給から33%の割り増しがあり、この他にも様々な手当てが支払われることにより陸上勤務と比較し収入を高くすることができました。
また、基地にいる間は食事はもちろん、電気、ガスなどの光熱費もかかりません。これにより毎月の手取りの6割を貯金に回すことができました。
ただ、こう話すと「なんだ、そんな環境だからできたんじゃないか」と思われるかも知れません。しかし、実際は衣食住の心配がない安心感から給与を散財してしまう隊員が多いのも事実です。大切なのは自分が貯金する理由を見つけること。そしてその理由を心底理解し、しっかりと信念を貫き通すことができてはじめて手取りの6割を貯金できるということです。
私は今まで色々な貯金を試し、その中で継続するのに無理のないものを取捨選択して支出を削ってきました。億万長者になった今でも、欲しいものや経験のためにはお金を使いますが、基本的な生活コストは抑えて生きることができています。
「お金ができたら貯金する」これは貯金ができない人の常套句です。日々の生活の無駄に気づき、月1万円でも貯金する癖をつけること。一つの節約術を身につけ、それを習慣化する。そして次の節約術を探し実践する。こうすることによって確実に出ていくお金を減らすことができます。
人生における3大支出、「住宅費、保険料、自動車費」を見直しましょう。私が資産を増やすことができたのは、入隊して数年間、住宅費、自動車費の支出がなかったことが大きな要因です。
まずは「住宅費」。これは人生で大きな固定費の一つです。「家賃は手取りの3割が適正」と言われていますが、この金額をいかに低く抑えられるかが重要です。また、一般的に「入居時の家賃が下げられる」ことはほとんど知られていません。委託不動産屋から自主管理に変わったタイミングや、契約更新の時期などは交渉のチャンスです。
次に大きな支出として「保険料」があります。そもそも生命保険とは、残された遺族が困らないためのものであり、独身であれば葬式代+αで十分です。逆に子供がいる場合はある程度の金額を受け取れるようにしておかないと残された家族に苦労を背負わせることになってしまいます。今一度自分の置かれた立場を考えた上で保険料の見直しをしてみてください。無駄に高い掛け金は資産を増やすスピードの足かせとなります。
私の場合は、自宅マンション購入時に住宅ローンを組む際、団体信用保険(団信)に入りました。その後不動産投資をしていく中で、物件を増やす度にアパートローン締結と同時に団信に加入するので生命保険をかけているのと同じことになったため当初入っていた生命保険は徐々に解約していきました。
続いての支出「自動車費」。車はイニシャルコストはもちろん、ランニングコストも馬鹿になりません。駐車場代、車検代、保険料に自動車税、ガソリン代に洗車代など、よくよく計算してみれば交通機関の発達している地域であれば公共交通機関とタクシーを利用した方がよっぽど安くあがります。
飲酒や喫煙は、自らお金をかけて健康を害しているとしか思えません。タバコ代、お酒代はもちろん、万が一タバコの吸いすぎやお酒の飲み過ぎで身体を壊してしまった場合、治療費などの余分な出費を余儀なくされるのです。
また、タバコ1本吸うのにかかる時間の損失も馬鹿にはできません。1本吸うのに3分だとすれば1日10本で30分。それに万が一病気にでもなれば治療費に加え治療時間に莫大な時間が奪われることになります。
次に見直すべきは携帯電話代です。平均的な携帯電話料金は6〜7,000円と言われています。利用していないアプリやデータ料金、無駄なオプションに月数千円かかっているなんて場合もありますので定期的な見直しを行う機会を作りましょう。契約を安いプランに変更する、もしくは格安SIMに乗り換えるなどの節約も有効です。身近なWi-Fiスポットを把握して上手く活用できれば通信量の少ない安いプランへ変更できるかも知れません。
その他にも日々の支払いをクレジットカードやスマホ決済などにしてポイントをもらうように心がければ、1%程度の還元を受けることができます。「たった1%」と思うかも知れませんが、これは自分の可処分所得が1%増えることと同じです。1年に100万円消費しているなら1%で1万円です。決して少ない金額ではないはずです。
手帳にはスケジュールや日記の他、自分が使ったお金を記録しています。これにより今月何にいくら使ったのか振り返ることができます。このことにより、お金に対する意識が自然と高まり貯蓄体質に変わっていくことができました。給料日前にお金がないと感じている人は、自分が何にいくら支出しているかを把握するためにも毎日手帳に記録することをおすすめします。手帳をつけることで、無駄な行動や出費に気づき、時間とお金を一層大切にするようになります。
昔米軍の職場に遊びにいくことがありました。そのときにアメリカ人は新年の抱負を発表し合うという習慣があることを知りました。有名な経営コンサルタント、ジェームス・スキナー氏によれば、「世の中のうち、明確な目標を立てる人はわずか3%」だそうです。「さらにその中で、目標を書いた紙を持ち歩いているのは1%の人だけ。この1%の人たちが社会の行方を決めている」といっています。
明確な目標を記入して、最低でも1日に1回は立てた目標を確認する。そして潜在意識に叩き込むことができればモチベーションが上がり、自然と行動に表れる。その結果、手帳に書いた通りの夢が実現するのです。
海上自衛隊でもっとも過酷で時間の自由がない教育機関「幹部候補生学校」。決められた教務や運動以外の時間で隊で行われるさまざまな式典の準備などを行うのですが、とにかく忙しい中、その作業時間を確保するために色々と工夫を行う習慣が身につきました。「移動は常に小走り」「コンビニに出かける際は、必要な物をついで買いする」「アイロンがけが必要なものはお金がかかってもクリーニングに出す」など細かい時間の節約で、必要なことへ時間を振り分けるなど、この「地獄の学校」によって時間の大切さを身につけることができました。
しかし、現代では全自動洗濯機に食洗機、ロボット掃除機など時短家電が増え、家事の時間は確実に減っているのに対して時間が足りないという人は減りません。つまり現代人にとって時間はいくらあっても足りることはないものなのです。
そんな中、毎日の自身の動線に無駄がないかを見直し、効率の良い流れを作ったら、それをルーティン化する。単体で行えば数秒の時短かも知れませんが、これを複数組み合わせることで大きな時間を節約することができます。
また、通勤する車内で音楽を聴いている人は、そのコンテンツを「知識を高めてくれるもの」に変えるだけで、通勤時間が片道30分なら1年もすれば相当の知識を蓄えることができるはずです。
効率よく仕事をするためには専門家に頼るのが一番です。あまりお金をかけることなく効率よく人の知識を借りるため、その分野に強い人に質問できる関係を作っておくことです。たとえばパソコンの調子が悪くなったとき、自分で調べて解決するよりも、その作業が朝飯前でできてしまう、その分野に詳しい人に聞いてしまった方が効率的です。常日頃から、さまざまな分野の人と関係を構築し、「その時」のための準備をしておきましょう。
では、彼らとどのように関係を築くのか。簡単です。作業をしてもらったとき、感謝の気持ちを伝えるとともにドリンクやちょっとしたお菓子を手渡すだけです。パソコンのトラブルシューティングに1時間かかるところ、詳しい人に頼んで5分で終わらせる。55分も時短できたのならドリンク1本くらい安い物です。
日頃から人にお世話になることを見越して、ちょっとしたお礼の品をいつでも出せる用意をしておくことが、仕事を効率よく進めることに繋がるのです。
そして効率良く仕事ができるようになると、自分の時間が確保できるようになります。そうすれば資格を取るための受験勉強やセミナーへの参加など個人のスキルをさらに上げることも可能になるのです。
私が初めて不労所得を得られるようになったのは、自宅用新築マンションを購入した32歳のときです。物件は駅から近い、広さ80平米ほどのファミリータイプを選びました。それは近くに米軍基地があったことから、転勤の際には高い家賃で米軍関係者に貸し出そうと思ったからです。
物件購入後1年半は自分で住み、さらに余った1室を後輩に貸すことで5万円の家賃収入を得ることができました。後輩が出ていってからは広い部屋が無駄だと感じたため、自分も引越し、予定通り米軍関係者への賃貸を始めました。それにより月20万円を超える家賃収入を得ることができました。
不動産投資というと、宅建の資格や専門知識が必要かと思う方もいるかも知れませんが、実際はそこまでの知識はいりません。大切なのは自分の属性(年収や勤務年数など)を踏まえて、どこのエリアであれば、どの金融機関が上限何%の金利で融資してくれるのか把握したうえで買える物件を探すことです。
また、どのようにして空室を埋めるのか。空いているスペースを有効活用して収益を高める方法を知っていることの方が、資格などよりも価値があります。
物件を貸すには、入居者の選定、契約、管理などが必要になります。しかし、管理会社に家賃の5%程度を支払うことで、全ての煩わしい業務から解放されます。それ以外は修繕などの特別な支出が発生した際に対処方法について指示を出すだけ。これらもメールで完結します。
ここまで手がかからないのは
・入居者選定や修繕について自分のポリシーを管理会社へしっかり伝えている
・年に2〜3回管理会社へ出向き信頼関係を築くことができた
・物件の立地が良く、選ばれやすい。もしくは苦戦する立地でもそれを補う価格設定に
するなど空室が出づらい環境を作っている
からです。
不動産投資による不労所得を得たいと思ったら、まずは不動産投資に関する本を10冊以上は読み、基本的な知識を身につけセミナーに参加しましょう。なぜなら不動産セミナーには既に結果を出している投資家がいる可能性が高いからです。もし彼らと良好な関係を築くことができれば、有益な情報や助言をもらうことができます。
そして何より大切なのは、いつまでにどんな物件を持ちたいのか、月にいくらの収益を目指すのかを具体的にすることです。そのために今やるべきことを明確にして一つひとつ実行していくことです。
「良い借金」とは借りた以上に収入をもたらしてくれるもの。対して「悪い借金」とは自分のポケットからお金を奪っていくもの。私は親から「人からお金を借りてはいけない」と教育されてきたこともあり「借金=悪」だと考えていましたが、不動産投資を行うようになり、この考えがガラッと変わりました。
しっかりと物件を選定し、低い金利でお金を借りてそれ以上のリターンを得る。さらに「良い借金」はお金を貯めている時間を短縮することができ、早い段階で大家としての経験値を積むことができるのです。
お金持ちになる人は「良い借金」をすることで自分の資産を加速的に増やすことを考えています。たとえば、利回り10%の1億円の不動産を買う時に全額1億円を1%で借りると、1年間に銀行に支払う金利は100万円。さらに固定資産税や管理会社への報酬、修繕費用などを勘案し合計330万程の負担があったとします。これに対し家賃収入は1億円の10%、つまり1,000万円。差し引き670万円となります。これにより、毎年670万円の資産が増える計算になるのです。
「節約=カッコ悪い」と考える人も多いと思います。しかし私の考えでは「節約=無駄なところに投資をしない」です。逆にいえば散財してしまう人は知らないうちに無駄なところへ投資してしまっているのです。
「今さら節約しても大して変わらない」と感じて何も始めなければ5年後、10年後も今と同じ生活をしていることでしょう。もし「今の生活を変えたい」と考えているのであればこの本に書かれていることを一つでも実行してみてください。
大切なのは「目標を明確にすること」目標達成まで果てしなく遠く思えても行動することで人生が変わり始めます。
※Bibroの要約コンテンツは全て出版社の許諾を受けた上で掲載をしております。
お金を増やすことや投資をすることを考えたとき、まずは「資産をつくる」ことよりも「支出を減らす」ことが大切になってきます。この本には会社員の方が現実的にできる資産形成術がかかれていて、とても実践的。節約から投資までを学ぶことのできる良書です。- 岡崎 かつひろ -