本書は浪費癖を持つ4人組・劇団雌猫が、「好きなことにお金を使いながら家計をやりくりする方法」をFP・篠田尚子氏に指南を受けるという内容です。
大きくは以下3章で成り立ちます。
第1章:健やかな浪費生活の3つの鉄則
第2章:悩める浪費女の大問答
第3章:増やせるもんなら増やしたい!「資産運用沼」をもっと知る
ここでは本書より一部内容を抜粋して紹介します。
この本を手にとってくださった方は、多かれ少なかれ浪費家ーーつまり「お金を使うこと自体が好き」な人だと思います。自分が納得したものに気持ちよく対価を差し出すのは最高に楽しくうれしいことですよね。幸せはお金で買える! 最高! ハッピー! ありがとう!
私たち劇団雌猫も、それぞれ違うオタク趣味、そして浪費癖を持つ4人のアラサー女子です。日々そこそこ幸せに生きてきましたが、気づけばもう結構いい大人です。このへんでいったんお金とのつきあい方、人生計画について、もうちょっとリアルに考えた方がいいんじゃないか……なんて思い始めたところです。
でも、何から始めたらいいんだ?
「貯金が趣味です」なんて口が裂けても言えない。思えば子どもの頃もおこづかい帳がまともにつけられなかった。趣味や娯楽に使うお金は絶対に死守したい。
そんなあなたと一緒にゼロから考えたい、「一生楽しく浪費し続けるためのお金の話」、スタートです。
ライフイベントに左右されることなく浪費生活を送りたいなら、働き続けるという意識を持ちましょう。自分で稼ぐ力がある、つまり、所得があるということは、社会的な信用にも繋がります。
土台となるのが、労働の対価として受け取るお給料(賃金)。お給料の仕組みを理解することこそが、マネープランの第一歩です。
病気にかかったときや、調剤薬局で薬を処方してもらうとき、保険証を提示するのは、窓口での自己負担額を3割に抑えられるからですね。
健康保険がほかにも役立つ場面は、病気やケガの治療で会社を休まないといけなくなったとき。長期療養が必要になった場合は、最長で1年6カ月にわたり、傷病手当金として、健康保険組合からお給料の約3分の2の額が支払われます。
また、1カ月の医療費が自己負担の上限を超えた場合、超えた金額を払い戻せる高額療養費制度もあります。出産に関する各種手当金も健康保険から支払われます。
厚生年金は、老後のための所得保障(老齢年金)と、障がいの状態になったときの生活保障(障害年金)の双方の役割を担う制度です。
老後のためだけでなく、不慮の事故で障がいを負ったとき、一生涯にわたって一定の生活保障をしてくれるのもまた年金なんです。
日本では、20歳以上60歳未満の人はすべて国民年金(基礎年金)の加入が義務づけられています。会社員や公務員は、勤務先で厚生年金に加入することで、自動的に国民年金にも加入しています。ちなみに厚生年金保険料の半分は会社が払ってくれているのです。
最もよく知られているのは失業手当。支援制度として、教育訓練給付金というものもあります。ほかにも、育児や介護で長期のお休みをしたときに、お給料の3分の2を受け取れる制度(育児休業給付金・介護休業給付金)もあります。
40歳になると、加えて介護保険に加入することになります。40〜65歳未満の医療(健康)保険加入者の場合、保険料は健康保険料に上乗せして徴収されます。
お給料にもよるので一概には言えないのですが、厚生労働省が公表している厚生年金の平均受給額は、月約14万5000円です。公的年金の役割はあくまで、老後生活の「支え」として、「終身にわたって」年金の支給を保障すること。つまり、死ぬまで最低限の面倒を見てくれるというのが最大のポイントです。
自分が年金をいくら受け取れるかは、毎年1回、誕生月に郵送される「ねんきん定期便」で確認することができます。
皆さんが準備すべきは、社会保障だけではカバーできないプラスアルファの部分。よく「老後資金は3000万円必要」なんて言われますが、たしかにこれは現実的な水準かもしれません。貯金はもちろん重要ですが、貯めたお金にも働いてもらうことが重要。つまり、資産運用です。一見ハードルが高そうですが、大事なのは貯金の延長であるということ。オトクな国の制度も積極的に活用していきましょう。
モノの値段が上がることで、お金の価値が目減りしてしまいます。低い金利で貯めていると、増えないどころか価値が下がることだってあるかもしれないんですよ。具体的な例を挙げると、ジャニーズのコンサートグッズの代表格、「ジャンボうちわ」も、ここ数年の間に500円から600円に値上がりしました。これもインフレの一種です。
資産運用を始めるにあたっては、特別な勉強をしなくても、最低限のポイントだけ押さえておけばOKです。
NISAとは、毎年一定金額内の範囲で金融商品に投資し、利益が出た場合、通常約20%かかる税金がまるまるゼロになるという制度です。例えば、株や投資信託で10万円の利益が出た場合、税金が約2万円引かれて、手元に残る利益は約8万円になるんですが、NISAを使うと、この税金が0円になります。
資産運用はまったくもって初めてという方、手元に貯金があまりないという方は、長期間にわたって非課税メリットを受けられるつみたてNISAを選ぶといいですよ。
確定拠出年金(iDeCo)は、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せして、任意で加入できる私的年金の一種。自分でお金を出して、その年金資産を自分で運用するのが特徴です。
最大のメリットは、とにかく節税。所得税や住民税が安くなります。手厚い税優遇を受けられるiDeCoは、「絶対に使ったほうがオトク」と断言できる制度です。
今は元気でも、病気やケガで働けなくなるリスクは常にあります。最低限安心して生活するために自分でも備えておきましょう。ポイントは、預金、保険、年金と、3段階に分けて準備すること。
銀行にお金を預けていても利息がほとんどつかないのは、みなさんも実感していると思います。銀行の預金口座は、日々の生活費+「月収3カ月分」を置いておくところだと思ってください。
すでに月収3カ月分を確保できている方は、一部を「2週間満期」や「1カ月満期」などの短気の定期預金に振り分けることをオススメします。生活費と混同して使ってしまわないように、また、簡単にキャッシュカードで引き出せないようにするためです。
月々に支払う保険料の総額は、多くても、手取り月収の5%以内に抑えることを目安にしてください。保険は、あくまで「今」の自分を守るものとして必要最低限の保障内容で加入し、ライフステージの変化に応じて適宜見直しをしていきましょう。
医療保険に加入する目的は、あくまでも医療費の保障だということ。一定期間が経つと掛け金の一部(生存給付金)を受け取れる貯蓄性を重視した保険は、保険料が割高に設定されているため、おすすめできません。働けなくなったときの生活費に不安があるなら、医療保険に加えて、就業不能保険の加入を検討してもいいでしょう。
iDeCoは、実は女性にとって、非常に使い勝手のいい制度です。働き方や被保険者の区分に関係なく、自分の名義で年金資産をつくることができるからです。女性は結婚や出産を機に、一時的に働き方を変える可能性も高いですが、そんなときでも年金の「持ち運び」ができるので、年金資産を増やし続けることが可能です。
たとえば、会社員(第2号被保険者)だった方が、子育てのために一時的に専業主婦(第3号被保険者)になるケースや、思い切って働き方を変え、フリーランス(第1号被保険者)になるようなケースでも、そのまま年金資産を積み立てていくことができます。
7人の浪費女さんたちのリアルなお金の悩みに、篠田先生がズバッと回答します。
A.「やる気はあるけど優先順位や“正解”がわからない」人が優先すべきは、お金を貯めるための仕組みをもう少し強化すること。以下を意識しましょう。
(1)「〇円残す」よりも「〇円天引き」
毎月お給料が振り込まれたら、まず貯金や投資に回す分を別口座に移動!
(2)勤務先で加入している確定拠出年金を最大限に活用
まずは部分的に投資信託を組み入れる指示を行い、資産運用の第一歩を踏み出してみて!
(3)がん保険と医療保険の保障内容を再確認
医療保険にガン特約をつけるなどすれば、保険料をもう少し抑えられる可能性も。
また、クレジットカードは、ご自身で管理できる範囲であれば、複数枚保有していても構いません。選ぶときの基準はシンプルに最も利用頻度が高いところ! これだけです。
Q.結婚ってこんなにお金がかかるの? 入籍前に決めておくべきことが知りたいです!
A.結婚は100万円単位でお金が飛んでいきます! 金額が大きくなりやすいのは、結婚式、披露宴と新婚旅行。結婚に向けて本格的に動き始める前に、まずは二人でしっかり話し合うこと。
夫婦のお金の管理は、「家賃、食費、光熱費は実費を二人で分割」&「毎月決まった額を貯蓄に回す」という方法が実践しやすいと思います。
オタクを続けたいなら、自分が使うお金は自分で稼ぐ=仕事を続けること。お互いに手取りの20%を貯蓄に回すというルールさえ守れれば、極端な話、残りはオタク活動に使っても構いません。
趣味の活動についてパートナーの理解を得ておきましょう。嘘をつかないことが、オタクと結婚生活を両立するための秘訣です。
Q.月々の奨学金返済で家計が火の車。お給料を上げたいけど、今の職場は昇給が望めません。
A.転職+上京を実現し、将来的に年収アップが見込める仕事に転職するのもアリ。生活費が上がったとしても、オタクを続けながら貯金ができます。都内で快適なオタクひとり暮らしをするには家賃込みで月20万円は欲しいところ。ひとり暮らし資金は60~80万円を目指しましょう。
奨学金返還は猶予を願い出ることも可能。遅滞しそうなときは返還相談センターを活用しましょう。
Q.ゆとりのある「おひとりさま老後」のために。資金作り、何から始めればいい?
A.「自分が使うお金は自分で稼ぐ」を徹底し、なにがあっても対応できるよう「貯金+資産運用」で資産をつくりましょう。お金さえあれば、グループホームのみんなとライブDVD鑑賞会だってできますから!
目指す金額は、一生浪費したいならもしかしたら3000万円では足りないかもしれません。提案したいのは「10年で1000万円つくる」プラン。初期投資額50万円、毎月6万円、目標運用利回り5%、運用年数10年を65歳まで続けて3000万円を目指すという設定です。難しければ半額からでも構いません。重要なのは、「続ける」こと。当面の目標を定めて、仕組みをつくれば、お金は自然と貯まります。
投資信託に関する知識を少しずつ深めましょう。
Q.夫婦2人で自由気ままな毎日。子どもが生まれたら、どうなるの?
A.夫婦貯金は、昇給したらその分貯金に多く回せるよう、金額よりも割合で考えお互いに手取りの20%を目安にしてください。
家事育児に正解はありません。子育てしながらも自由な時間を確保するために、まずは時間の捻出方法について夫婦でしっかりと話し合うこと。病児保育、ベビーシッター、食材宅配サービスなどの活用も検討したほうがいいでしょう。
公的費用の無償化を進める自治体が増えて、小学生までは意外とお金がかからなくもなってきています。夫婦できちんと貯金すれば、何に使うかは自由。自分も楽しんでいいんです。
金融機関を賢く使うなら「増やす」は証券会社に、「貯める」「借りる」は銀行に、それぞれ任せること。
現在のメインバンクが都市銀行、地方銀行、ゆうちょ銀行のいずれかなら、その口座にプラスしてネット専用銀行の口座を持っておくと便利です。おすすめは、「増やす」ほうで選択したネット証券の口座と連携可能なネット銀行です。
投資信託(ファンドと呼ぶこともあります)は、運用をファンドマネジャーと呼ばれるプロにまるっとお任せできる金融商品です。ファンドマネジャーは、あらかじめ掲げた投資方針に則って、皆さんから集めたお金を株・債券・不動産などに分散投資します。
とにかく忙しくて時間がないというときは、一定の手数料を負担しても、その道のプロに任せて効率的に資産運用をした方が賢明です。
投資信託には預金のように元本保証の機能はありませんが、工夫してリスクを小さくすることはできます。投資信託での大きな失敗を回避するため、以下の2点を守りましょう。
大切なのは、市場環境が悪化したときの対処法です。一時的に下げることはあっても、「下げすぎない」ことが重要なのです。
素早くリスクを察知してブレーキをかけ、省エネ運用をしている投資信託の方が、中長期にわたって安定した利益を獲得できます。こうした運用ができるかどうかは、ファンドマネジャーの腕にかかっています。運用力が試されるタイプは、一般的にアクティブ型と呼ばれます。もう1種類のインデックス型という投資信託は、指数と連動しています。例えば日経平均なら、その日の日経平均株価が下がれば、同じだけ投資信託の基準価額も下がります。ファンドマネジャーの運用力はさほど関係ありません。
インデックス型の最大の魅力は、なんと言ってもコストの安さ。ただ、下落時にブレーキをかけることを含め、ファンドマネジャーが独自の投資判断を下すことはできません。どちらが優れているということではなく、使い分けが重要です。
毎月決まった日に、決まった金額で自動的に投資信託を買い付けていく積立は、下落時の「心の拠りどころ」として重要な役割を果たします。
下落時ほど、より多くの口数を購入でき、平均買付単価も下げられるからです。一時的な価格の上下に振り回されず定額を積み立てていくことで、長い目で見ると、平均の買付単価をならすことができるんですよ。
ただし、積立効果を実感するまでには、平均的に2年から3年くらいの時間がかかります。無理のない金額でコツコツと続けていくことが、投信積立成功の秘けつです。
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