お金の不安から解放されるためには、「お金がある」と自分が納得できる状況を作る必要があります。
そのためには具体的な目標を設定し、資産形成を行います。
お金に関する知識を増やし、財布や預金だけでなく保険や株式、不動産など様々な形態の資産について学ぶことが重要です。
資産形成は時間をかけて戦略的に行われます。
資産形成の戦略を考えるためには自分のお金の実力を正しく把握する必要があります。目標を達成するためにはスタート地点を確認し、見えていないお金も含めた全体像を把握することが重要です。
そこで参考になるのが企業の財務諸表です。その中で特に重要なものは以下の3つです。
■損益計算書:経営成績がわかる
■貸借対照表(バランスシート):財務状態がわかる
■キャッシュフロー計算書:資金状況がわかる
これらを活用し、バランスシートを作成することで、正確なスタート地点が把握でき、適切な戦略を立てることができます。
バランスシートで資産形成のヒントを得られます。
作り方は、資産の部に現金化した想定金額を書き、負債の部に未払いのローンを記入します。
最後に純資産を算出し、高い割合が健全な状態です。完成したバランスシートからポートフォリオが分かります。
ポートフォリオは最適化が重要です。
ポートフォリオを最適化するには未来のお金を考慮に入れる必要があります。未来のお金は毎年の残余額となり、資産形成の戦略や金額に大きな影響を与えます。
未来のお金を加えることで「お金がある」と気づき、貯蓄や投資、リスク許容度を把握できます。
未来のお金は現在の給与や業界の平均給与から予測することができます。
自分の資産の現状を正しく把握できると目標の限界もわかります。非現実的な目標は避け、身の丈に合った目標を立てましょう。
投資活動の利回りは7〜8%が限界です。より慎重に目標地点を設定する際は3〜6%の利回りを考慮しましょう。
現状から毎月・年間で投資可能な金額を判断し、目標の限界地点を算出します。
最適なポートフォリオのために2つの目標を設定します。1つは目標金額で、現在の資産と将来の目標から逆算します。
もう1つは目標リターンで、実現に必要な複利の年利率です。目標を達成するために必要な利回りを考慮します。
時間的な価値を考慮した目標リターンは内部収益率(IRR)と呼ばれます。
例えば以下の2つのケースを比較してみましょう。
(1)初年度に100万円を投資して5年間運用
(2)初年度に20万円を投資して、毎年20万円ずつ投資し5年間運用
IRR6%で運用した場合、(1)では133.82万円、(2)では119.5万円となります。
金額と拠出時期によって目標リターンが変わるため、具体的に細分化して設定する必要があります。
目標金額を算出したらポートフォリオを構築します。国際分散投資を基本とし、目標IRRに沿った商品を選ぶことが重要です。目標IRRに応じて安全資産とリスク資産の比率を調整し、組み合わせる方法を計算します。
例えば、85%を外国株式(期待リターン6.0%)、15%を現金(期待リターン0%)とすると、期待リターンは5.1%になります。
また、50%を先進国国債(期待リターン3.0%)、50%を日本株式(期待リターン5.0%)とすると、期待リターンは4.0%です。
ポートフォリオの再評価は2〜3年に1回することをおすすめします。自分の環境や金融市場の変化により、再評価と修正が必要となることがあります。
金融商品の価値は上下しますが、時間をかければ回復し成長します。ポートフォリオの再構築は自身の環境変化に基づいて行われるべきです。
再評価によって目標に少しずつ近づいていることを実感し、お金の不安から解放されることができます。定期的な再評価はポートフォリオの健全な成長にとって重要です。
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