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老後に破産する人、しない人
中村 宏
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資産形成
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老後破産予備軍10タイプ

あなたがこれから老後を見据えた時、破産する予備軍なのかどうかというのが、はじめに気になってくるポイントではないでしょうか。

(1)退職金や企業年金のない会社で、定年時に住宅ローンが残る人

(2)賃貸住宅で暮らしているのに貯蓄がない人

(3)晩婚で子供ができたのが遅い人

(4)背伸びをして高い住宅を購入してしまった人

(5)万が一を考えて、生命保険に加入しすぎている人

(6)世帯収入が平均なのに、子どもを中学から私立に通わせる人

(7)リタイア後に生活費の削減ができない人

(8)定年を機に独立したものの、収入の目処が立たない人

(9)ずっと自営業を営んできた人

(10)借金体質の人

あなたに当てはまる部分はありましたか?

なんとかなると反論する人もいると思います。しかし、考える事をやめてしまう傾向がある人は、不安にフタをして見ないようにするきらいがあるのです。

考えない人ほど、今後の不測の事態にそなえることができません。

老後破産をしないための働き方

未経験でも働ける

お金の不安を解消する方法のひとつが、仕事を見つけることです。自分自身で働いて稼ぐということは、意外と簡単で年齢や未経験でもチャンスは転がっています。

夫の収入を100万円アップさせるのはなかなかに大変。逆に、働いていない妻が100万円を稼ぐことはそれほど難しくはありません。10年はたらけば1000万円。相当な金額になり、その分が老後の蓄えとなります。

60歳以降に働く

60歳を超えても働いていれば、日々のお金の蓄えは当たり前ですが60歳以降働かない場合よりも蓄積されていきます。働いている期間内に、厚生年金にも入るため、完全リタイアすることよりも受け取る年金の金額はアップします。

また、60歳以降に会社で働いて賃金がある程度下がった場合には、雇用保険からお金が支給される「高年齢雇用継続給付」という仕組みもあります。このとき支給される金額は最大で賃金の15%相当。収入が下がった時のセーフティネットとなります。

65歳以降も働ける社会の仕組みづくりはできつつありますし、年金受給のタイミングを後ろ倒していく事で貯蓄を切り崩さなくてすむ。そうすることが理想的な老後の過ごし方になるのです。

50代以降の資産運用の鉄則

50代以降の資産運用は欲をかいてはいけません。

老後の生活資金が十分でないからといって、一発逆転を狙ってリスクの高い資産に投資することは大損をしかねません。リタイア前後の大損は、本当の意味で取り返しがつかなくなります。

資産は自分で守れ

定年後に退職金が銀行口座に振り込まれると、すぐに銀行から電話がかかってきて金融商品の購入を勧められます。

このとき注意すべき点は、「銀行の勧める投資信託は、リスクが高く、コストも高いものが多い」という事です。勧められるがままに大金を注ぎ込むと思わぬ損失を被るかもしれないと覚えておきましょう。

定年前のタイミングではなく50代あるいは40代にそうした商品に少しづつ購入を行い、勘所を理解するようなトレーニングが必要です。そうした経験がないのであれば、守りながら攻めるような資産運用を目指していきましょう。

定期預金はこう選べ

定期預金を選ぶ時、将来の金利動向の予想によって結果は大きく変化します。世の中の金利がこれから数年のうちに上昇すると予想するなら、満期の短い定期預金を選ぶのが適切です。なぜなら定期預金は満期を迎えると、それまで貯まったお金で自動的に同じ定期預金が買われます。このとき金利情勢に応じた新たな金利が設定されるからです。

また、定期預金を購入するときには中途解約をするかもしれないときに備えて、大きな金額1本の定期預金を買うよりも、金額を小分けにして数本買った方がいい場合があります。

老後の住宅環境はこう選べ

リタイアを迎えるにあたり、住宅は大きな問題です。賃貸住宅に住む人は、いくらくらいの家賃のどんな家に住むかで老後は大きく変化します。

今マイホームを持つ人であれば、住宅ローンをどうするかというのが大きな問題となります。まずは住宅ローンの現状を把握。自分の住宅が将来どのような財産となるか、どのぐらいで完全に自分の財産になるかを調べておきましょう。

その時必要なのは、ローン残高だけではありません。残りの返済期間や金利タイプ、適用金利、毎月返済額やボーナス返済額まで把握しておきましょう。

また、マイホームは査定して時価を算出することも大事です。今住んでいる家を終の住処にする前提の人でも、時価を知っておけば売却して住み替えるという選択肢が生まれるかもしれません。

金利についても合わせて考えるべきです。住宅ローンを他社に切り替えて下がるのであれば、実施すべきです。また、今後の金利上昇を想定するのであれば変動型から固定型への切り替えを行いましょう。でなければ、変動型によって金利が上がり家計を切迫しかねません。

著者
中村 宏
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。株式会社ベネッセコーポレーション入社。2003年にFPとして独立し、FPオフィスワーク・ワークスを設立。個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。
出版社:
KADOKAWA/中経出版
出版日:
2014/06/20

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