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なぜ投資家の9割は負けるのか
なっつ@投資家
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暴落で投資を辞める

本書の中では、実際に投資を辞めた人・負けた人のエピソードを軸に、どうして失敗したのか、負けたのか、はたまた騙されたのかが紹介されています。

最初は、コロナショックによる失敗について解説します。2020年のこの大暴落で日経平均は-30%を記録しました。小林さんの投資した100万円は短期間に70万円にまで下落。持株を損切りし、もう投資なんかしないと株を辞めてしまいました。

しかし、その後2021年では日経平均は約80%のプラスに転じます。損きりをしなければ120万円にまで回復していたのに……。暴落での立ち回りで正しくはどうすればいいのでしょうか。

そもそも株式相場における暴落というのは10年ごとに発生します。

  • ブラックマンデー 1987年
  • ITバブル崩壊 2000年
  • リーマンショック 2008年
  • コロナショック 2020年

大暴落した後には、底打ちし上昇に転じています。

景気には好景気と不景気の波がやってくるため、景気先行指数ともよべる株価は繰り返し上下しているのです。株価暴落に耐えて投資を続けた人だけが、恩恵を受け取れ、逆に暴落に耐えきれず退場してしまった人は、損したまま投資をやめてしまうというわけなのです。

逆に、投資の世界にはこういった格言が存在します。

「資産家は恐慌後に生まれる」

暴落を乗り越えて、続けることが負けないこと、そしてその先にある勝ちを得られることにつながっていくということなのです。

投資のタイミングを測って失敗

コロナ禍が落ち着くタイミングで新たな投資先を探していたある投資家。

移動制限もあり、軒並み暴落していた旅行関連株に焦点をあてます。その読み通り、一時的には航空株やクルーズ株などに復調の兆しが見えてきました。

ただ、株価が期待を超えて伸びる前に予想できない事態が起きました。

それは、ウクライナ侵攻やオミクロン株の流行です。

基本的な株式投資の考え方は、安く買って高く売る。しかし、それができるのであれば9割の投資家が負けという事態は起きません。

成長株の発掘により1990年代に大活躍したフィリップ・フィッシャーさんは、以下のような格言をのこしています。

「いつ起きるかを予想することは、何が起きるかを予想することよりも何倍も難しい」

ほぼ全ての投資家は、長期的に見て株価が上がると思い投資をしています。しかし、短期的に今だ!今から株価が上がると思い投資をしても予想を当てることはできないのです。

たとえ当たったとしても、たまたま1度だけあったというだけ。当て続けるのは至難の業です。

タイミングを狙って行う投資は、かなり難易度の高い投資だと理解しておきましょう。では、どのような投資を行うのが良いのか。

それはタイミングを読むのではなく、コツコツと投資をしていくことです。ボーナスや退職金など大きくお金が入るタイミングもあるかとおもいます。しかし、時間を分散すればリスクはヘッジされます。

長期的に旅行業界などが戻ると予測するのであれば、タイミングを見据えて安いとおもって投資するよりも、淡々と積み上げていく方が不利な戦いを強いられません。

投資で利益を出すのには、やはり時間がかかります。投資対時間効果で見れば、短期的に安く買い短期的に高く売りたくなるものですが、そうして実行してしまうとやはり負けにつながってしまうのです。

短期トレードは危険

100万円を1億円にできた。リスクのあるトレードで成果を上げている人の話をみると、短期トレードにワクワクしてしまう気持ちは理解できます。ですが短期トレードにはなかなかに大きな落とし穴が存在します。

適当に選んだ銘柄。3万円から4万円に短期で上昇、いわゆるビキナーズラックにより利益を得ることができました。

調子に乗って虎の子の50万円を短期トレードに注ぎ込むことに。興味のある株の業績やビジネスモデルの確認もせずに売り買いしてしまいました。

その結果は読者の予想通りでしょう。みるみるうちに、株価は減少することになってしまったそうです。

一般的に短期トレードはゼロサムゲームだと言われています(厳密には手数料や税金が引かれるためマイナスサムゲーム)。

自分が得をすれば相手が損をする。逆もまた然りです。そのため、短期トレードを行なっている人は、1年以内に市場から消える人が9割と言われています。

いわゆるテレビ出演しているようなトレードで億万長者になったという人は、1割の生き残った人なのです。再現性(実際にあなたが同じパフォーマンスを得られるか)は著しく低いものです。

では、投資は必ず損をするかというとそれもまた間違った考え方です。長期投資はプラスサムゲームだと言われています。たとえ株価が横ばいであったとしても、配当金を得られる株もあります。

たとえば2002年から2022年までコカ・コーラーの株を持っていたとしましょう。1株あたり約22ドルから、約65ドルまで増加しました。しかも、年配当が発生。

こうした成果は、短期トレードでは受け取れない利益です。最低でも2〜4年間ぐらいの長期的な視点を持つことが大切です。

著者
なっつ@投資家
大学で行動経済学を学ぶ傍ら、株式投資やビットコイン投資などで資産運用を実践。自身の資産運用の経験を生かして、投資に関する情報をブログやSNSで発信中。
出版社:
出版日:
2022/06/07

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