まずはサラリーマンの間、経理に任せっぱなしな税金。意識してその金額を見ることも少ないのではないでしょうか。自分がどのぐらい、どういった項目でお金を支払っているのか、大まかに理解することから始めましょう。
※以下の内容は、居住地や世帯などにより税金が異なるため概算表記となります。年収「500万円」を仮定しフリーランスで取得した際のイメージです。
(1)課税所得 452万円
基礎控除の48万円は差し引かれた金額になります。
(2)税金の合計額 141万円
内訳
・所得税 49万円
・住民税 46万円
・国民健康保険料 46万円
500万円のうち、約28%が税金となります。
(1)課税所得 387万円
日々の記帳をきっちりとした複式簿記に切り替えることで、青色申告といわれる白色申告よりも納税額を下げることができます。これが節税の第一歩。具体的には、65万円が課税所得からより差し引かれます。そのため、対象となる課税額もより減額されます。
(2)税金の合計額 115万円
内訳
・所得税 35万円
・住民税 40万円
・国民健康保険料 40万円
500万円のうち、約23%が税金となります。この青色申告をおこなうことで比較すると26万円お得となります。
事業者専従控除やiDeCoなどの小規模企業共済など投資や将来に対する積み立てのプロセスは、国が認めた税金対象からの控除申請につながります。仮に、180万円分を控除してみましょう。
(1)課税所得 207万円
(2)税金の合計額 64万円
・所得税 11万円
・住民税 22万円
・国民健康保険料 31万円
500万円のうち、約13%が税金となります。また、白色申告と比較すると77万円もお得となります。
税金を知り、正しく申告するだけで同じ仕事をしている場合であったとしても、金額はここまで変化します(投資に重点を置く場合には、控除とよばれる所得から金額を差し引く制度をより活用することができます)。
社会保険料や生命保険などの控除や、iDeCoなどの将来への投資を行うだけでこれだけ支払う金額が変化するのであれば、やらないのはもったいないと思いませんか?
本書に書かれたような基本の節税方法を学ぶことができれば、簡単にお金を年間数十万円作ることが可能です。節税できた数十万円を投資に回せばよく老後資金の目安とされている2000万円を超す資産を作ることも難しくありません。
本書は、一般的に節税本とは違い、節税から投資までをセットにして紹介しています。
それは、私がフリーランスの方にこそ、投資をしてもらいたいと考えているからです。
フリーランスの方は毎月、毎年の所得にばらつきが出るため、老後資金を計画立てて作ることが簡単ではありません。
また、「投資はしてみたいけれど、投資に回す余裕がない」「投資をしたいからといって急に仕事が増えるわけでもない」という事情もあります。
そこで、節税の出番なのです。
先の例のように青色で確定申告をし、控除を適切に使うことで、年間20万円の節税ができたとします。
これがどういう意味を持つか、改めて考えてみましょう。
たとえば、年間20万円の節税ができたということは、「働かずに、年間20万円分、自由に使えるお金が増えた」ことを意味します。
フリーランスの方の中には、「確定申告なんて面倒くさい」「確定申告の作業をする時間を仕事にあてたい」「忙しくて帳簿なんてつけていられない」という人もいますが、きちんと確定申告をするだけで、年間何十万円も「手取り」が増えるのです。
これをやらない手はありません。
節税によって投資にまわすお金を作り、国の仕組みを利用して、自分のために大きなお金を育てましょう。
「本当にそんなことが可能なの?」と思われるかもしれませんが、特別なことは何もしていませんし、知っている人はとっくに始めています!
また節税に目を向けることでしっかりお金の管理ができるようにもなります。
目的なくお金の管理をするのは、大変ですが投資でお金を増やすことをゴールにすることで、「お金の管理」「節税」を楽しめるようになった人も多くみてきました。
繰り返しになりますが、フリーランスの方こそ節税をし、老後やライフプランのために投資額を増やさなければなりません。
本書では、フリーランスの方に必要な節税の知識、確定申告の方法、経費についての考え方、お金の見える化などが満載。
加えて2016年に出版した『はじめての人のための3000円投資生活』、2019年に出版した『貯金感覚でできる3000円投資生活 デラックス』でもご紹介してきた投資術も本書には盛り込んでいます。
本書から、
といったことができるようになります。
岸田政権が「貯蓄から投資へ」と政策を進めていますが、フリーランスの方向けに言い換えるなら「節税から投資へ」です。
まずは、地道に足元を固めるために、しっかり節税をし、そこから投資へ目を向けてみてください。
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