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しっかり1億円貯める月1万円投資術
世古口 俊介
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資産形成
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初心者はハイブリット投資

「ハイブリット投資」とは金融資産と実物資産を組み合わせた投資手法です。

まず、これが優れているポイントについて紹介したいと思います。

毎月1万円で、ムリなく投資できる

投資は1万円から始められます。たとえ20代であっても、おこづかい制であったとしても、1万円ならなんとか用意できるのではないでしょうか。

投資は若いうちから始めた方が複利と期間の効果を得ることができるので鉄板なのは間違いありません。

分散投資により安定的に資産が成長

ハイブリット投資は、金融と実物資産と分けることで分散効果が期待できます。実物資産は、人口の安定増加する都市部へ。金融資産は海外優良企業へ。と異なる成長軸に投資することで資産形成を実現します。

株式・債券・不動産は一度購入すればほったらかし

投資というとずっとモニターやスマホで確認しなければいけないものといった誤解はないでしょうか。チャートの上がり下がりに一喜一憂する必要はありません。基本的には買い増して行くだけであり、タイミングをみる形の売買は不要なのです。

コア資産とサテライト資産に分けて考える

主に資産は2つの種類に分けられます。

・コア資産 預金、株式、債券、国内不動産を指します。資産形成において土台となるものです。

・サテライト資産 海外不動産やヘッジファンド、金や銀などのコモディティ資産、未上場企業投資などが位置付けられています。

これをゴッチャにして投資をしてしまうと資産を増やす戦略がブレてしまいます。まずは揺るがない資産のポートフォリオを作り、その上でサテライト資産に挑戦するといったステップを踏んでいくことが重要です。

なぜハイブリットが適切なのか?

性質の異なる2種の金融資産は、同時に保有することが好ましいです。まず、金融資産は取引コストが低く、価格の透明性が高いことが特徴です。また、すぐ売り買いできるといった流動性の高さも特徴といえます。

一方、実物資産は金融資産と比較すると取引コストが高く流動性が低いです。ただ、相続対策や借入の活用などができる点が特徴として挙げられます。

このとき毎月1万円で1億円貯めるケースで、おすすめなのは「VOO」と呼ばれる金融商品です。バンガードという運用会社が運用するETFで、S&P500と連動しています。

過去のトラックレコード(運用成績)は、年率リターンで平均10%程度のため、今後もその程度で運用できたという前提であれば、貯蓄額は1%と設定して行うのがオススメです。このETFの特色としては、年間の運用コストが0.3%という点です。投資信託であれば運用コストは2%前後。6倍以上も運用コストが安いということになります。

不動産であればざっくり、都内区分の2000万円台のマンションを5戸、フルローンで運用し、年間利回り5%を目指すとよいでしょう。賃料収入により借入を返済しつつ、40年で建物部分がなくなると想定しても不動産純資産は2700万円程度残ります。

借入残高の完了は、68歳になるものの十分に一億円の純資産を狙えるモデルと言えるでしょう。

個人がプロに勝つためには

たとえば株式投資であれば、信用取引や投資元本を大きくして投資を一気に行うという人も散見されます。しかし、これはギャンブル感覚な投資であり、辞めた方がいいでしょう。そういう人ほど、上がったらキャッシュに戻してとか、短期的な売買をしがちです。

株式市場は、機関投資家やヘッジファンドなどが参加するプロの市場です。

少し勉強した個人投資家が短期売買で勝てるはずがありません。

彼らに唯一対抗して勝つ手段は、長期的な資産運用を行うことです。プロは1年や2年の期間で目標となるパフォーマンスを得ることが使命です。しかし、個人の投資期間は10年から20年と圧倒的に長く考えることが可能です。

また個人投資家は複利の運用を活用できます。投資で増えた利益を再投資することにより運用資産が段々と大きくなっていきます。

個別株はNG

私は個別の株式について相談に来られたお客様に必ずこう伝えています、

「個別銘柄には手を出さない」

たとえば日産。有価証券の虚偽記載容疑で逮捕された一件で、あそこまで株価が落ちるとは誰も予想ができませんでした。個別銘柄でリスクを取るというのは博打と同じといっても過言ではありません。

そんなことをするぐらいであれば、数百、数千の銘柄に分散されているようなパッケージ型のファンドに投資するほうが絶対におすすめです。銘柄が分散されているため、少額からの運用も可能です。

個別株式の銘柄をあれがおすすめなどと議論してしまうことは多いです。しかし、経済状況に合わせて株式を増やす、退職したので債券を増やすなど資産配分全体の議論を行う方がよっぽど建設的です。

ニュース一本で大きな利益になることもあれば、大きく損失してしまう個別株は、どうしても短期売買が多くなりがちです。その短期売買で得するのは証券会社だけ。基本的に、やめておくに越したことはありません。

著者
世古口 俊介
株式会社ウェルス・パートナー代表取締役。資産運用に関する指導・提案を行い、顧客数は300名を超える。
出版社:
あさ出版
出版日:
2020/03/06

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